【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2018年3月18日

「 ホーキング 神を語る 」

車椅子の天才宇宙物理学者で知られる英国のスティーブン・ホーキング博士(76)が亡くなられた。博士は21歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)で余命2年と診断されたが、半世紀に渡って車椅子と、会話用コンピューター装置から、時間と空間(宇宙)論の発展に、アインシュタイン以来大きく貢献した。ただ博士の宇宙物理学理論の整合性はあっても、立証/実証できない為ノーベル賞受賞には至らなかった。邦訳された1千万冊ベストセラー「ホーキング宇宙を語る」(A Brief History of Time)は、私も読んだが、数百ページの文庫本にまとまるほどで、物理学・宇宙学どころか数学でさえ素人の私でも何となく理解できるあたりが、やはり天才物理学者のすごさであろうか。

ホーキング博士は1960年代にブラックホールの存在を指摘し、時間と空間の有限性や無境界性、正エネルギーと負エネルギーの関係等、宇宙と時間はビッグバンで始まりブラックホールで終わると、世界を驚かせた。

科学の究極的目的は、宇宙や世界を繋ぎ保つ単一の力(源)なる理論を提供する事とホーキング博士は語る。その著書や講義の中に度々「God/神」が語られるが、博士自身は「不可知論者」(神の存在/非存在を立証する事はできない故に、神の存在を肯定も否定もしない立場)と語っている。しかし同時に「科学はたとえ世界/宇宙がどのように誕生したかという問題を解いたとしても、なぜ世界が生まれ、このように存在しているのかを答える事はできない」と語り、被造物全体の唯一の源である神の存在と意図を強く感じさせてくれる。また、博士はコンピューターウィルスに関しても、これらは新しい形態の生物で、やがて人間の知能を越え世界を支配しかねないと警告する。人類がこれ迄に産んだ唯一の生命体とは、混乱と破壊をもたらすもので、それは人間の本質を良く表していると言う。

博士は、外の世界・宇宙空間についても、人の内に存在する心という世界・宇宙空間についても把握されている。ホーキング博士の理論「TOE」(A Theory of Everything 全体を一つとする力)こそ、この全世界をデザインし創造し保たれる唯一なる神の存在を示しているのである。博士が生涯捜し続けたその主の元に今ある事を祈りつつ。

「全てのものは、この方によって造られた。造られたもので、
この方によらずにできたものは一つもない」ヨハネ1:3【新改訳】