【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2018年5月13日

「 二刀流 Show Time 」

ある野球好きの男の子が、裏庭でバッティングの練習をしていた。「僕は世界一のバッターだ」と、上に投げたボールを打とうとバットを振ったが空振り。すると彼は、今度は「僕は世界一のバッターになるんだ」と言って、拾ったボールをもう一度上に投げたが、また空振り。男の子は「偉大なバッターは、ツーストライクから違うのだ」と再びスイングしたが、空振り三振。地面に転がるボールを見た男の子は「すごい!僕は世界一のピッチャーだ!」と言った。

打つだけでも投げるだけでも簡単なものではないが、エンゼルスの二刀流大谷翔平選手の活躍は、メジャーリーグ界を驚愕させている。MLB開幕と同時に、投手として2勝、打者では打率.341、4本塁打の成績で、いきなり4月の月間最優秀新人賞を受賞し、まさにMLB球史に残る”The Show(翔)Time”を披露している。全米が驚いたのは二刀流だけでなかった。大谷選手は、あと2年待てば何十億、いやこの活躍では何百臆という年棒を手にしたが、日ハム時代の約1/4である僅か6千万円の年棒でエンゼルスと契約した。アメリカ人にとっては、二刀流以上に理解できない行動であろう。彼は、お金を愛し、お金の為に海を渡ったのではなく、今も、誰よりも野球が好きで好きでたまらない少年なのである。グランド内だけでなく、彼のしぐさや笑顔、また、敵地でも、少年にバットをあげたり、落ちたボールを拾いに行ってサインして渡したりと、全米を魅了している。

先月、中山の緑公会堂でひとみ座の「ひょっこりひょうたん島」を皆で観に行った。島に漂流した生徒に「学校はどこ?教科書も鉛筆も校舎もない?」と問われたサンデー先生が「学校は、あなたの心の中にあるものよ」と答えていたのを思い出した。きっと大谷選手にとっても、野球とはどこかの豪華で立派な球場にあるものではなく、彼の心の中に、小さい時から変わらずにあるものなのであろう。今朝のメッセージは「誰でも幼子のようにならなければ…」というイエス様の教えである。私達も、子供の頃のそして主に出会った若き頃の心を、もう一度思い出し、取り戻そうではないか。そう、主も、教会も、礼拝も、私達の心の中にこそあるのだから。