【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2018年8月26日

「 寅さんとサルーキ= 」

今日は、サルーキ=サマーコンサート。2016年は、クリマスコンサートであったが、今回は夏休み中のサマーロックコンサート。前回、コラム覧に何を書いたか見たら、「パクチーとサルーキ=」という題で、新しい形で福音を伝えるニュージェネレーションの到来を喜びつつ、「(サルーキ=とパクチ=)どちらも、最初は余りに強烈で、多少とっつきにくいかもしれないが、一度味わったら皆サルキスト!もうやめられなくなってしまう」とあった。

あれから一年半、果たして私達の理解も深まったであろうか。「私、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」で有名なフーテンの寅さん。「男はつらいよ」シリーズにこんな一場面が。靴の販売営業をしている甥っ子の満男が「仕事がつまらない」と愚痴をこぼした。するとそれを聞いた寅さん、そこにあった鉛筆を満男に渡し「これを売ってみな」と。満男が渋々、「この鉛筆を買って下さい。消しゴムまでついてますよ」と寅さんにセールスを始めると、「俺は字など書かないから鉛筆なんていらない」とあっさり断られてしまう。満男が「こんな鉛筆売りようがない」とさじを投げると、寅さんはそれを取り上げ「この鉛筆を見るとな、おふくろの事を思いだしてしょうがねぇんだ」としみじみ鉛筆にまつわる話を始めた。勿論、即興の作り話であるが、これが実にうまく本当に懐かしそうに鉛筆を見つめて情感たっぷりに名調子で語るのである。するとその場にいた誰もが寅さんの話に共感し、皆その鉛筆が欲しくなってしまうのである。

同じモノを売っているのに、一体何が違うのであろか。以前、マックスファクターの社長さんの言葉「私達は化粧品ではなく夢を売っているのだ」をご紹介したら、有名なフィルム会社の社長さんであった教会員の方が、「私達もフィルムではなく想い出を売っているのです」と言われて感動した。多くの人は鉛筆や化粧品やフィルムを「物」として売ろうとするが、寅さんは「物」ではなく、鉛筆の持つ「価値」を伝えたのである。福音を語る私達も、福音そのものを語っても、その福音が人々にもたらす本当の意味や価値を伝えていなかったりする。サルーキ=は、私達に彼らのロックや音楽やスタイルを売りに来たのではない。そこに織り込まれたあなたにとっての福音の真意と価値を、あなたの人生劇場に今日、たっぷりと届けてくれるのである!

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