【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2018年9月16日

「 神へのメッセージはIOU 」

先週、大坂なおみ選手(20)がテニス全米オープンを制覇し、日本人選手による初の四大大会(グランドスラム)優勝に日本中が沸いた。準決勝・決勝と、地元アメリカの選手と対戦。決勝でグランドスラム優勝23回を誇るテニスの女王セリーナ・ウィリアムズ選手を下した。試合はセリーナ選手の抗議で混乱したが、ハプニングにも動じる事なくストレートで下しての初優勝であった。

試合後のインタビューでも大人気の大坂選手。優勝したものの、ブーイングが止まないNYのファンを前に、セリーナ選手は(もともと彼女自身が招いたものであるが)、大坂選手の功績を認めて勝利を称え、ブーイングを止めるよう観客に語った。一方、大坂選手は「皆がセリーナ選手を応援しているのに、こんな結果になってごめんなさい」と涙ながらに謝り、USオープンファイナルで戦う事が小さい頃からの夢だった憧れのセリーナ選手に「ありがとう」と感謝した言葉と涙に、アメリカ人観客は惜しみない拍手を送った。本来、謝るべきはセリーナ選手の方であったはず。訴訟と裁判の多い北米では自分の過失で事故を起こしてもI’m sorryと謝ったら全過失を認めた事となる故、言ってはならないといわれる程で、観客を気づかった大坂選手の謙遜で心からのI’m sorryには皆感動した。それは「大坂選手はやはり日本人!」と思わせてくれた嬉しい瞬間でもあった。そんな彼女の受け答えに、彼女のスポンサー・日清食品社長は「大坂、半端ない!」と叫んでおられた。

まだまだ驚かされる事がある。既に世界のトップテニスプレーヤであったが、その服も靴も、試合で使用したラケットも既製品と発表された。早速、アマゾンを見たら\15,400で売っているではないか。「弘法筆を選ばず」ならぬ「大坂ラケットを選ばず」であろうか。試合後の日本語インタビューでは「嬉しいけど、ちょっと寂しい」とも漏らしていた。小さい頃からの夢でしかなかった憧れの人セリーナ選手を自らが倒し、越えてしまった寂しさであろう。若き新女王が、頂点に立つ者の宿命、孤独感と寂しさを初めて感じた瞬間であった。準決勝後にその勝因を聞かれ、「次、どうしてもセリーナと戦いたかった」と答えた。最後にその対戦相手セリーナにメッセージをと聞かれると「Ilove You」と答えたのには皆大笑いであった。私達も、この人生の戦いの中で、その勝因を聞かれた時、「どうしても憧れのイエス様に会いたかったから」と答えたい。そう、テニスでは、0点の事をLOVEと言う。イエス様へのメッセージは?と聞かれれば、勿論「IOU」(I love You)!